美文字は、脳神経細胞を若返らせる「玉手箱」!!
2020/03/15
体のキレは神経で決まる!
前回の記事・・ いかがでしたか?
運動神経が、筋肉運動の入口をつかさどっているでしたね。
では、「運動神経」とは 対となる神経・・
ご存じ「知覚神経」(感覚神経ともいう)についても考えてみます。
いったいこれらの神経細胞は、
美しい字を書くための練習「習字」をしている場面では
どのように絡み合っているのでしょうか。
※興味深い本がありましたので、以下、
大澤一爽(おおさわ かずあき)『習字の科学』 から引用要約しています。
字を「上手に」「すらすら」と書く機能は、
脳の新皮質系に宿る神経細胞の分業体制によってなされています。
毛筆の尖端を注視して毛筆を書き続けると、
脳細胞を刺激し続け、その行動がますます、
人間を人間らしくさせていく進化という問題に繋がっていきます。
脳の新皮質には、
「上手に指を動かせ」という指令を出す筋肉運動をつかさどる部分の運動野があって、「筆を上手に握っているか」という指の皮膚からの信号を受ける神経部分が
感覚野となっています。
「筆を上手に握って」「字を上手く書く」という統合の働きをする連合野が、
人ではよく発達していて、
創造、意欲、思考、情操の部分にあたる前頭連合野がそれに相当します。
では、脳の中で起こっている分業体制の「統合」は、
どのような回路でおこなわれているのでしょうか。
この問題については、「美しい字を書く方法」を探るよりも、
「運筆に当たっては筆先に注目することに一心不乱になる」ということが、
人間の脳の中でどのような神経伝導回路をもっているのかを知るのが良いのでは。
それは、以下の図のような回路といえる・・
●1:何か見えるが、何かな?
●2:考える、判断する。これは上手な字だ。
●3:新しいことを考えだす。よし、この字を真似よう。
●4:手足を動かす。筆をうまく握って字を書け!
●5:もう少し左右バランスをとろう
●6:小脳
●7:脳幹
筆先を見つめるということは、
目の「網膜」に筆先を結像させることである。
網膜に写った像(筆先とここではお手本ともいえる)は、
神経線維を伝導し「筋肉」を刺激する。
このように網膜に結像した情報は、
「筋肉」を動かすまでの伝導回路で終っているように見えるが、
途中で切断されることがない。
「筆先を見つめる」ことは、
脳の神経細胞も含めて「ある回路網」を作り上げることである。
「筆先」(お手本)を見て、「筋肉」を動かすまでの連続動作を
「回路」にして脳の中に「記録」するのが、習字の練習である。
ここまで・・
ということは、お気づきのように
まず、視覚という知覚神経を通して、理解・判断・思考し、
皮膚感覚という脳細胞(知覚神経)が反応し、
次の筋肉運動に繋がっているということ。 と理解します。
まったくもって、習字(筆で字を書く)行為は
知覚神経を使いまくり、感じまくりですね。
この感覚器官の五感といわれるもののうち、
◇1:視覚----- お手本と筆先のあいだをビックリするくらいキョロキョロします。
◇2:聴覚----- 筆鋒(毛の部分)と紙のかすかな摩擦音と
◇3:嗅覚----- 墨の香りに癒され
◇4:触覚----- 筆管を握る手指の感覚、筆鋒と紙の擦り合い感(筆の弾力)が皮膚に伝わる。
◇5:味覚----- さすがにないか・・ (でも書いた文字には味がある)
一心不乱の姿勢と呼吸とリズム感といった身体感覚が、
次はこうしていけ!という改善アクションを瞬時に筋肉運動をつかさどる運動神経につないでいく循環行為であるといえます。
まさしく、習字とは
知覚神経と運動神経のループ(連続回路網)の形成にほかならない・・
言い換えるとするならば、
美文字は、脳神経細胞を若返らせる「玉手箱」と言えるのです。
最後になりますが、
筆者はこのようにも言っています。
「美しい字」を書こうとする指先(筆先)を注視することにより、
脳を刺激し、よりいっそう複雑に指先が動くようになる。
人の脳の進化は、指先が循環した歴史をもっている。
毛筆で字を書こうとする人々は、人間の進化を高めているのである。
ここに筆の尖端を見ることの必要性を再度強調する。 と・・・
いつも最後までお読みいただきありがとうございます。
美文字で未来をハッピーに! 溪春書道教室代表
書道家 藤田溪春けいしゅん
◆溪春のインスタグラム⇒ https://www.instagram.com/fujiccohiroshi/
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